満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦

混迷の中で建国され13年で崩壊した満洲国。一極集中の特異な社会、急拡大した満鉄、石原莞爾ら陸軍エリートの苦悩――成立と暴走の要因を「東大話法」で話題の著者が解明する。現代にも通ずる欺瞞の系譜が見える。

混迷の時代に成立し、わずか13年で消滅した満洲国。一極集中の特異な社会、急拡大した満鉄、石原莞爾ら陸軍エリートの苦悩など、特有の要因から成立と崩壊を読み解く。現代に連なる欺瞞の系譜にも迫る。

安冨 歩

やすとみ あゆみ

東京大学東洋文化研究所教授

東京大学東洋文化研究所教授。1963年生まれ。京都大学経済学部卒業後、株式会社住友銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、現職。著書に『生きるための論語』(ちくま新書)、『超訳 論語』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『生きる技法』(青灯社)、『原発危機と「東大話法」』『幻影からの脱出』(明石書店)、『もう「東大話法」にはだまされない』(講談社)、『経済学の船出』(NTT出版)、『生きるための経済学』(NHKブックス)、『複雑さを生きる』(岩波書店)などがある。『「満洲国」の金融』(創文社)で第40回日経・経済図書文化賞受賞。