出会い系メディアの人気が沸騰し、雑誌からインターネット、そして携帯電話i‐modeに至るまで、さまざまに乱立している今日の状況は、“性”が快楽のために次から次へと多様な「他者」を必要とし、呼び寄せては消費するゲームのようだ。著者が体験・見聞・取材したさまざまな“性”の担い手たちは、いったい何と出会っていたのか?出会い系全盛時代の“性”に振り回されずに「もてたい」人、必読の真摯な恋愛論。
著者からのコメント
ネット恋愛をお嘆きのあなたに 出会いは、つねに自分の想像を超えた「他者」によって自分の心身を動かされる経験だ。 昨今、ネット&ケータイの「出会い系サイト」が問題視され、法的拘束まで論議されているが、問題なのは出会いの危険の意味を取り違えることだ。
出会いは、それがどんなメディアによってもたらされようとも、つねに「他者」と関わることでリスクを負うものだ。それは、まったくの自己責任であり、誰からも守られるわけではない(法がすべてを守ってくれるわけではない)。
この本では、テレクラ、伝言ダイヤル、雑誌、クラブなどによる出会いの積み重ねからネットの出会いの内実を探る試みであり、同時に恋愛が変質してきていることを性をからめて描くことで浮かび上がらせる。 「出会い弱者」に必要なのは、警察の取り締まりなんかじゃない。むしろ、失敗から学ぶ試行錯誤の経験そのものだ。
この本が、失敗から学ぶタフネスを読者にもたらすことができれば、著者としてはとてもうれしい。