奪われた性欲

昨今、女性誌やインターネットでは、「婚活」の二文字がやたらと目立っています。少子化の問題に絡んで、男性側の消極的な姿勢が話題になることも多く、流行語にもなった「草食系男子」など、その最たるものです。団塊ジュニア以降の、恋愛に積極的ではないセックスレスな男性の姿が、そこには見受けられます。

こうした空気は、結婚したい女性たちの気持ちを焦らせ、彼女たちから「結婚を考えない男が悪い」と言われているように感じる独身男性にも、耳の痛い話題になっています。
しかし、結婚どころか、それ以前の恋愛やセックスの段階で「自分の欲望(特に性欲)の表出が誰かを傷つけてしまわないか?」と自粛している男たちの存在は、十分に語られているとは言えません。
社会から認識されることなく、性欲を表出するチャンスを奪われたまま、自分のさみしさの深ささえ自覚できなくなってしまいがちな「団塊ジュニア」以後の世代と、その親世代を中心に、「本当にそのままでいいの?」という疑問符をさしはさみながら、自尊心の回復の可能性を考えるものです。

本書では草食系男子を中心とした団塊ジュニア以降の世代の性欲減退の原因を、単に個人の責任にせず、社会的、科学的な原因から探ります。
昨今流行の「草食系」という言葉に安心し、薄過ぎる欲望が肯定された気になっている方も、本当は自らの欲望がこの世の中を生き抜いていくうえで、薄過ぎることに気づく機会を求めていたのではないでしょうか?
あなたの“去勢された”欲望が底割れを起こす前に、さっそく「性欲とは何か」から一緒に考え始めましょう!

内容(「BOOK」データベースより)

最近「婚活」「草食系男子」などの文字をよく目にし、団塊ジュニア以降の、結婚に積極的ではないセックスレスな男性が話題になる機会も多いです。しかし、結婚どころか、それ以前の恋愛やセックスの段階で、自分の欲望(特に性欲)の表出を自粛している男性たちの存在は、あまり語られていません。本書は、性欲を表出するチャンスを奪われたまま、そのさみしささえ自覚できなくなってしまいがちな「団塊ジュニア」以降の世代とその親世代を中心に、「本当にそのままでいいの?」という疑問をさしはさみながら、その原因を探ります。

今 一生

フリーライター&編集者。1965年、群馬県生まれ。千葉県立木更津高校卒。早稲田大学第一文学部除籍。コピーライターを経て、25歳から現職。