説明
安冨 歩
やすとみ あゆみ
東京大学東洋文化研究所教授
1963年生まれ。京都大学経済学部卒業後、株式会社住友銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、現職。著書に『生きるための論語』(ちくま新書)、『超訳 論語』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『生きる技法』(青灯社)、『原発危機と「東大話法」』『幻影からの脱出』(明石書店)、『もう「東大話法」にはだまされない』(講談社)、『経済学の船出』(NTT出版)、『生きるための経済学』(NHKブックス)、『複雑さを生きる』(岩波書店)などがある。『満州国の金融』(創文社)で第40回日経・経済図書文化賞受賞。
M.Y. –
経済学の船出の方の動画大変面白く拝聴させていただきました。いつもの一月万冊も面白いですが、またひとつディープな感じがして面白かったです。スピノザの下りがとても興味深かったです。
以前にお話しされていた、民主主義の起源に関して、簡単ではありますが、最近魂の民主主義という本を読みました。その前に来るべき民主主義という國分功一郎さんの本を読んでいたので、スピノザの件で國分さんの名前が上がったのが興味深かったです。
ジェンダー/クイアスタディーズを牽引しているジュディスバトラーの始まりはスピノザのエチカだったそうです。
彼女にとても惹きつけられます。日本の言論はあまり彼女に言及しません。現代思想は特集を組みますが、メディアによく出てくるような思想系や社会学の人たちは80年代に始まったカルチュラルスタディーズについてはあまり話さないようです。数年前に彼女が明治大学と東京大学に来られたときにシンポジウムを聞きに行きました。やはり多分に仏教的なのではないかという印象をうけ、そしてだれかがそれは仏教の考え方ではないかという質問をされたかたもいましたが、答えをあまりおぼえていません、確か彼女の家族に仏教徒がいるやらなんやらと、あまり私にはグッとくる答えではなかったので、記憶に残らなかったのだと思います。ジェンダートラブル、権力の心的な生、欲望の主体、自分自身を説明すること、などを書かれています。彼女の本にも大変興味があるのですが、なにやら、書き方というか、なんというか難しく。藤高和輝さんの書かれたジュディスバトラーについての本が私にはわかりやすかったです。
問題=物質となる身体 「セックス」の言説的境界についてという本が一番最近に翻訳されて一躍界隈では流行っています。安富さんがトランスジェンダーであること、ハラスメントは連鎖するという話にもあるように、自分自身と、その周り、外周にあるものは連関しており影響をし合っている、そしてだから何ができるのかというようなことを言っている気がします。スピノザまでよむことになろうとは思わなかったのですが、読んでみようと思いました。いつもありがとうございます。