ありのままの私

私は女装していません。
しかし女性装しています。
だって、女性だから。
それが私には、自然だから。

『原発危機と「東大話法」』、『誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠 』、『生きる技法』他、多数の著書で知られ、女性装の東大教授としてテレビ出演などで話題の安冨歩。

安冨教授は、ダイエットに成功し体重が減ったことがきっかけで、女物を着るようになった。そして女物を着ると、ただならぬ安心感が得られることに気がついた―――。

女性装に至る来歴、その過程で感じたこと、考えたことを綴った1冊。
その経験から見えてきたものは、「自分自身でないもののフリ」をすることは、すべての“暴力の根源”だ、という発見だった!

目次

はじめに~研究と女性装~

第1章 きっかけは
減量成功 
女物を着始めた頃
  化粧をしてみる 
ただならぬ安心感 

第2章 初めての経験
ヒゲのレーザー脱毛 
スカートをはいて外出するまで
スカートをはいて銀行に行ってみる 他

第3章 メディアを通じて
フジテレビ『アウト×デラックス』に出る
『アウト×デラックス』出演後の反響 他

第4章 無縁の原理
無縁の原理とマツコ・デラックス
  異性装:三橋順子『女装と日本人』

第5章 歪んだ視点
トランスジェンダー 
「性同一障害」という歪んだ見方
  ホモセクシュアルの一般性:日本人は昔からやってるし、動物だってやっている

第6章美しさとは
女性装者を歓迎してくれるお店
オトコっぽい女性が美人 
自分を偽らない 

おわりに~タイトルに寄せて~

安冨 歩

やすとみ あゆみ

東京大学東洋文化研究所教授

東京大学東洋文化研究所教授。1963年生まれ。京都大学経済学部卒業後、株式会社住友銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、現職。著書に『生きるための論語』(ちくま新書)、『超訳 論語』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『生きる技法』(青灯社)、『原発危機と「東大話法」』『幻影からの脱出』(明石書店)、『もう「東大話法」にはだまされない』(講談社)、『経済学の船出』(NTT出版)、『生きるための経済学』(NHKブックス)、『複雑さを生きる』(岩波書店)などがある。『「満洲国」の金融』(創文社)で第40回日経・経済図書文化賞受賞。