3・11の福島第一原発事故によって、「人知の闇」「人間の愚」があらわになった。今こそ、人間そのものが深く問われている。どこまでも人間を深く見つめ「愚」に立ち続けた親鸞の姿勢とその思想に学び、「人間とは何か」「真に生きるとは」という問いを明らかにしていく時がきた。
安冨 歩
やすとみ あゆみ
東京大学東洋文化研究所教授
東京大学東洋文化研究所教授。1963年生まれ。京都大学経済学部卒業後、株式会社住友銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、現職。著書に『生きるための論語』(ちくま新書)、『超訳 論語』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『生きる技法』(青灯社)、『原発危機と「東大話法」』『幻影からの脱出』(明石書店)、『もう「東大話法」にはだまされない』(講談社)、『経済学の船出』(NTT出版)、『生きるための経済学』(NHKブックス)、『複雑さを生きる』(岩波書店)などがある。『「満洲国」の金融』(創文社)で第40回日経・経済図書文化賞受賞。