レコードへの道 20220610 ロザリオのソナタ その2

前回に続いてビーバーの『ロザリオのソナタ』である。マイアーの残念なデジタル録音を聴いて、これは是が非でも、アナログ録音のレコードを聴きたいな、と思った。そうなると次の候補はこれである。

メルクスのビーバー/「ロザリオソナタ」
独ARCHIV 198422/423 STEREO 2LP

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ビーバー/「ロザリオのソナタ」から、第10~15番&「パッサカリア」

エドワルド・メルクス(ヴァイオリン)
ユゲット・ドレフィス(チェンバロ)ほか

プレス国 ドイツ
レーベル シルバーレーベルコンディション
レコード 良好です(MINT~NEAR MINT)
ジャケット 良好です1967年録音。見開きジャケット入り。優秀録音盤!

価格:22,000円(税込)

これもお高いのである。なぜこんな高いのかというと、「当店のレコードは、店主金子やスタッフたちが、おもにヨーロッパに直接出向き、実際の目と耳で厳選した、コンディション優秀な名盤ばかりです。国内で入手したものや、オークション品、委託商品はございませんので、安心してお求めになれます。」とのことで、ヤフオクで、主として国内盤の、それも安くて状態がいいとは限らない、ジャンク品ばかり集めている私としては、立つ瀬がない。

このレコードは、出ているのを見たことがなかったのだが、デジタル録音を聴き終わった日に、もちろん国内盤であるが、神のお導きで、安く出ているのを見つけた。さすがにこれは誰かと競るだろう、と思ったのだが、余程、皆さん国内盤がお嫌いなのか、それとも神のご加護か、そのまま競らずに落札できたのである。

それで聴いてみたら、これは、本当に名曲、名演奏、名録音である。1967年録音だそうである。私の印象では、モノラルLPからステレオ初期が、最も優れた録音がなされた時期だった気がするが、まさにその時代の音がする。

穴澤 健明「アナログディスクレコード技術の系統化報告と現存資料の状況 1 ~機械式録音から電気式録音へ、そして長時間化とステレオ化へ~」
の下記の図で言うなら、ちょうど磁気録音の時代にあたっている。ということは、磁気録音をそのまま磁気テープに写したものが良さそうなものだが、テープ類を気合を入れて、入手再生したことがないので、わからない。

メルクスを私は恥ずかしながら、全く知らなかった。Wikiの英語版によれば、メルクスは1928年生まれのオーストリアのヴァイオリニストで、アーノンクールに続く、古楽器演奏の草分けの一人らしい。しかし、どういうわけか、ガット弦ではなく金属弦を使い、19世紀初期に発明された顎当てを使い、現代的なスタイルのビブラートをかける、という、古楽器演奏では、完全に時代錯誤的スタイルを貫いたため、今では聴かれなくなっているそうである。

こんなものすごい演奏が、そんな理由で忘れられてるとは、ありえないにも程があるが、たしかに言われてみれば、古楽器奏者だとは、聴いただけでは全くわからなかった。無理に表現すれば、SP時代の巨匠たちから、ロマン派的な演奏家中心主義を排除しつつ、演奏家の強い個性だけを残したような感じの演奏が、いい録音で聴けるのである。こんな素晴らしいヴァイオリニストの録音が、あまり残っていないのは、誠に残念極まりないが、悪魔のトリルとか、バッハのソナタ全集とか、コルレリのソナタとか、何種類かはあるようなので、ぼちぼち買って行こうと思う。

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