レコードへの道 その1:音を良くする方法

一年ちょっと前に、レコードにはまってしまった。随分前から、レコードについて考えていたのだが、なかなか実行に移せなかった。理由は簡単で、場所をとり、面倒が多く、お金を食う割に、音が良くなるわけではないからである。レコードは音がいい、という人がいるが、おそらく、間違いである。レコードは別に音がいいわけではないはずだ。

もしあなたが、音を改善したいと思っているなら、いきなりレコードプレーヤーを買うのは絶対にやめた方がいい。もしあなたが、タブレットかなんかで、イヤホンで聞いているなら、そこから音そのものを良くするのは、それほど簡単ではない。イヤホンは、余計な要素が入らないので、結構、有利なのである。

しかし、私は、イヤホンで音楽を聞くと気分が悪くなるので、どうしてもスピーカーで聴きたいタイプである。そうなると、タブレットやスマホでそのまま音を流したのでは、音は良くない。とはいえ、私が使っている iPhone や iPad は良く考えられていて、それほど悪くもないのである。ここから改善するのも、実は多少面倒である。

第一段階は、デスクトップで聞くことである。実は、 iMac は極めて優秀な再生装置である。特に、すこし古い、CDドライブがついていた時代の iMac は、そのまま再生装置として使っても構わないレベルである。但し、「機器セット」というのを設定する必要があるので、それは、「iMac 機器セット」などで検索して調べてほしい。

CDやストリーミングでは、デジタル化された信号が入っていて、それをどこかでアナログの電波に変換して、スピーカーを鳴らしている。一つの問題は、CDをCDプレーヤーで再生すると、音が悪くなってしまう、という問題である。理由は簡単で、CDプレーヤーでは、きちんとデータが転送されていないからである。CDプレーヤーでは再生ボタンを押すとすぐに再生されるが、パソコンやDVDプレーヤーでは、一瞬、間があってから再生が始まる。これは、後者では、データの転送がきちんとできたか、確認しているからである。CDプレーヤーを使っている人は、試しに、パソコンかDVDプレーヤーをアンプに繋いで、音を聴き比べてみてほしい。気にならなければ、それでいいし、気になるなら、仕方ないので、CDプレーヤーは使うべきではない。気にならない人は幸いである。

それゆえ、もし音の差が気になるなら、CDプレーヤーは使わない、というのが大原則である。ではどうしたらいいのかというと、DVDプレーヤーで再生するか、パソコンに読み込んで再生すれば良いのである。ただ、読み込む場合は、できれば音質を下げない方法でやった方が良い。Mac の iTunes だと、

  • AAC
  • MPC
  • Apple Lossless
  • AIFF
  • WAV
という形式がある。AACとWAVとがそのまま読み込む形式で、AACとMP3は、多少音が悪くなる。Apple Lossless は理論的には音が悪くならないようにして容量を減らしているはずなのだが、ちょっと悪くなっている気がするが、気のせいかもしれない。劣化しない形式ではデータ容量を食うので、専用の外付けディスクを用意して、そこに保存するのが良い。古い iMac か Mac mini があるなら、それに外付けディスクを繋ぎ、音楽再生装置にするのが賢明である。

ストリーミングの場合は、普通は通信コストを下げるために圧縮系の音源で、CDと同レベルにするには意識してそう設定する必要があるし、さらに音質の良いハイレゾ音源もある。試しに同じ音楽を圧縮系、CDレベル、ハイレゾで聴き比べてみてほしい。不幸にも、音質の差が気になるようなら、いろいろコストはかかるが、より容量の大きいものを使うべきであるが、気にならないなら、その必要はまったくない。気にならない人は幸いである。

次に、スピーカーで音を鳴らしたい、という場合には、アンプを使う必要がある。たとえば、iPhone から音楽を聴く場合に、何らかの方法でアンプにアナログの電波の形で渡してやる工夫がいる。イヤホンジャックのある古い iPhone なら、ステレオミニプラグの端子をそこに差し込んで、アンプに繋げば良い。ない場合は、アンプが Bluetooth に対応しているならそれを使って飛ばせば良い。できれば iFi-Audio ZEN DAC というような専用機を使って、アナログ化すると音が良くなるが、これも気にならない人は気にしなくてよい。

アンプにまでたどりつけば、それにスピーカーを繋ぐわけであるが、スピーカーは言うまでもなく、 純セレブスピーカー を使うべきである。これは問答無用であって、どんな耳をしている人でも、市販のスピーカーを使うべきではない。純セレブスピーカーは、私と音楽家の片岡祐介氏とが開発した全く新しいスピーカーであり、少し努力すれば高性能のスピーカーを自作できる。純セレブスピーカーについては、 純セレブ堂 を見てほしい。<続く>

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