オハイオの街からのはじまり

2020年3月、新型コロナウィルスがアメリカで爆発し始めた頃、私はなぜかオハイオ州のアーミッシュの人々が多く住む Berlin という街に滞在していました。ベルリンではなく英語風にバーリンと発音します。バーリンにたどり着いた日に、オハイオ州のロックダウンが始まっている、というタイミングでした。身動き取れなくなって、日本の学校も閉鎖されていることだし、若い人向けに無料のネット授業でもするか、と思ってYoutubeで「丑三ツ大学」の講座を公開し始めたのですが、ちょうどその頃、「一月万冊」が毎日のように更新され始めました。両者を比べてみると、視聴者の反応も、再生回数も、圧倒的に後者の方が優勢で、結局、こちらに発信の主力を置くようになりました。何が違うのかな、と考えたのですが、決定的なのは、清水さんの視聴者の受け取り方への感性だと思います。私は、「コミュニケーションは受け手がする」というピーター・ドラッカーの大発見の重要性を喧伝する者で、「丑三ツ大学」もそのためにやっているようなものですが、Youtubeの配信に限らず、何事も、自分の頭の中の論理に従って動くため、一方向性が強く、コミュニケーションが成立しなくなってしまうのです。一方、清水さんは、受け手が何を感じているかを察知する異常な能力があります。私の論理の垂れ流しと、清水さんの感性とが合わさることで、フィードバック回路が形成され、視聴者とのコミュニケーションが成立しているのだ、と思います。それから、2年が経過して、今般、遂に「一月万冊」のホームページができました。これによって、さらにコミュニケーションの環が豊かに広がるものと期待しています。

1件のコメント

  1. 一月万冊で販売中の安冨先生の書籍や動画を、とてもありがたく拝読、拝聴しています。応援していまーす!

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