これも10インチレコード。文化大革命期に、集団作曲された。Wikiには、「黄河鋼琴協奏曲」は、冼星海が1939年に作曲した管弦楽と合唱のためのカンタータ「黄河大合唱」をもとに、1969年に中国中央交響楽団が集団創作したピアノ協奏曲。」と出てる。作曲の詳しい経緯は、
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/ssrc/result/memoirs/kiyou31/31-01.pdf
この論文を参照されたい。
曲は中華風メロディと、チャイコフスキーと、ラジオ体操の混ざったもの、というべきか。社会主義リアリズムの名作として、中国では今も良く演奏されるらしい。
この演奏で面白かったのは、全体の構成というか、文法といえか、息遣いというかが、中国の田舎で見た廟会の演劇とそっくりなことである。それで一貫してたら良かったかもしれないが、チャイコフスキーとラジオ体操が畳み掛けて来るので、ついていけなくなる。
この曲には、驚いたことに、オーマンディ指揮のフィラデルフィアのレコードがあるそうで、ネットの不正アップと思われるものがあったので聞いてみたが、こっちは、中国演劇の息遣いが欠落していて、中華風グランドキャニオンで更に謎であった。聞くなら、本家の演奏した、このレコードだと思う。