レコードへの道 20220503

テレマンの音楽は、あんまり好きではない。バッハのような圧力がなく、ヴィヴァルディのような飛翔感もない。何をどう聴いていいのかよくわからいところがある。

バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータの冒頭のアダージョを一年半くらい前に突然弾こうとおもって、無茶な挑戦をしているのだが、

その流れで、テレマンの無伴奏ヴァイオリン幻想曲集にも興味を持って、楽譜をいきなり買ってしまった。バッハの無伴奏ほどは難しくないものの、ちょっと手を出してみて、こりゃ大変だ、と思って、とりあえずiTunesでいくつか聞いてみたのだが、やはり、なんか、捉えどころがなくて、よくわからない。

それでレコードで探していたら、グリュミオーのレコードがあった。iTunesではヒットしなかったので知らなかった。で、聴いてみたら、本当に驚いてしまった。捉えどころがあるのである。モヤモヤした感じが全くない。一体どういうことなのだろうか。

楽譜を買って、iTunesを聞いて、真似して最初のところだけちょっと弾いたのだが、しばらくやってるうちに、この曲は、リズムをカッチリ守らないと訳がわからなくなる気がしていた。いくつか聴いた録音では、曲がシンプルすぎるので、ニュアンスをつけるべく、リズムを微妙に揺らせているのだが、それだとますます捉えどころがなくなる。

それに対してグリュミオーは、リズムをカッチリ守り、極めて素直に、楽譜の通り、しっかり弾いている。つまりは、フツーに弾いている訳であるが、そこにものすごい情報量が込められて聞こえる。いや全く、言うまでもないことだが、グリュミオーは、とてつもなくすごいヴァイオリニストである。いつか、この演奏をお手本にして、テレマンの無伴奏にも挑みたいものだ。

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