レコードへの道 その4: 純セレブ・スピーカーの実際

我々はこれまでに、多種多様のスピーカーを作ったが、今でも「初代」は最高級の出来である。特に、ライブや講演などのPAなどとして使う場合には、これを凌ぐものはない。その後の研究でわかったのであるが、カーステレオ用のスピーカーユニット、特にスバルの純正のものは、純セレブスピーカーに向いていたのである。

 我々はそれから半年ほどかけて集中的に研究を進め、いろいろなユニット、エンクロージャー、詰め物、アンプを試した。そして驚くべきいくつかの結論に到達した。

まずユニットであるが、小さなコーンに軽い磁石が着いているものが一般に良い。高価で重い磁石の付いたユニットは、基本、向いていない。どうしても大きめの音量や低音が欲しい、という場合には、シンプルなカーステレオのユニットが良い。クルマに乗せるという制約のために、できるだけ軽くコンパクトに作られているからである。

エンクロージャーは、固くて薄いダンボール箱で、表面がペイントされているものが良い。段ボール箱をアクリル絵の具なので着色すると、音が良くなることが多い。それ以外には、和紙を固めて作ったもの、ダルマなどが良いことがわかっている。バスレフなどの余計な工夫は全く必要がないばかりか、音を悪くする。

詰め物は、柔らかい紙を入れると音も柔らかくなり、硬い紙を入れると硬くなる。聞く音楽にあわせて調整するのが良いが、これも和紙が良いことがわかっている。

 アンプは、小さいユニットを鳴らすのであれば、できるだけ余計なものがついていないシンプルなものを、乾電池やクルマのバッテリーなど直流の電源で鳴らすのが良い。カーステなどの大きめのユニットは、シンプルなプロ用のアンプとミキサーで鳴らすのが良い。

 我々はこれらの研究成果を常時インターネットを通じて無償で積極的に公開してきた(https://halfrich.wiki.fc2.com/)。それと共に片岡がネット上に「純セレブ堂(https://jun-serebu.net/)」を開設し、最適化した組み立てキットを販売している。このキットは、ダイソーの300円のスピーカーを解体して取り出したユニットを、特注の段ボール箱に取り付けるものである。ダイソーのユニットを使うのは、これが安定して安く手に入ると共に、品質が優れているからである。一部では、「純セレブ・スピーカー」といえばダイソーのユニットをダンボール箱にいれたもの、と思われているようであるが、これは片岡の組み立てキットの影響であろう。ダイソーのユニットの取り出し方や使い方も、片岡がネット上で詳しく説明しているのだが、それでもこのキットには安定した需要がある。

「純セレブスピーカーについて語ります!」 2018/08/04

「純セレブスピーカーの理論」2018/09/25

「ダイソーユニットを使って純セレブスピーカーを作ろう(基本編)」2019/01/20 

「ダイソーユニットを使って純セレブスピーカーを作ろう(ダルマ編)」2019/01/23

「純セレブダルマスピーカーを公開製作します~」2019/02/21

1件のコメント

  1. 当時のツイッター上のやり取りを勝手にTogetterまとめにしました(取捨選択があるのはご了承ください)。
    『初期「純セレブスピーカー」界隈の議論を、回顧的にまとめました(2018.8.14〜2019.3.20)』 https://togetter.com/li/1332502

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