レコードへの道 20220502

このレコードは、ハイドンの弦楽四重奏の中でも最高傑作とされる77番「皇帝」を、古今の弦楽四重奏団の最高峰とされるプダペスト弦楽四重奏が演奏したものなので、名曲名演の名盤に決まっているので、今更、特に話すべきこともない。特にないのだが、これも10インチ盤でジャケットがカッコいいので、取り上げた。

実は最近まで知らなかったのだが、ブダペスト弦楽四重奏団は、バンガリーのではなく、アメリカの楽団であった。戦争でハンガリーからアメリカに亡命した若い音楽家が、結成し、必死で腕を磨いて大成功したのだそうである。ちなみに、私が最も好きな弦楽四重奏団である東京クワルテットは、東京ではなく、ニューヨークの楽団であったから、それと同じことである。

それまでの弦楽四重奏団は、高名なヴァイオリニストとその伴奏3人という感じだっのに対して、この四人は完全に対等であり、それが革命的であった。これ以降、このブダペスト弦楽四重奏団のスタイルが、一般的となる。

とはいえ、バリリ弦楽四重奏団のレコードを聴いたら、四人ともめちゃくちゃ上手かったので、対等というのは技量というよりも、演奏をどうするかについての主導権の問題かもしれない。ただ、このレコードの解説に、ブダペスト弦楽四重奏団は、音量が大きくてダイナミックレンジがすごい、と書いてあるので、対等性はそこに現れているのかもしれない。が、レコードでは、ダイナミックレンジの広さを、録音するのも、再生するのも難しいから、なかなかわからない。わからないが、レコードでも、ブダペスト弦楽四重奏団は高く評価されているので、何か感じるのだろう。

このレコードで特筆すべき点は、「コロンビアLP愛好会」の入会ハガキが入っていたことだ。思わず五円切手貼って投函しそうになったが、多分、届かないだろう。

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